遠藤部族日記

日頃の生活のなかで感じたことやしたことについてゆるく綴る

お金がなくて神社に住んでいたという話

大学4年の9月ごろの話。内定も無事にけり終えて、今後どうしようかなあ、と思っていたところ、ふと小田原に住みたいなあ、と考えた。

大学の研究のフィールドワーク対象地が小田原の片浦地区という、みかん畑や海といった豊かな自然に囲まれた地域で縁があったからである。

 

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といっても小田原に住むためのお金がないし、現地における交通手段もない。そこで原チャを貸して欲しいという投稿をしてみたら、ふんどし一丁の人から半壊した原チャをタダでもらうことになった。

 

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交通手段はどうにかなった。問題は住むところである。住むといっても家賃はやはり、金欠学生には痛いほどかかる。当時、ワンルーム8畳5人暮らしの友人の家に無料で居候していた自分にとって、家賃というのは相当の痛手である。

そこで無料で住める場所はないかと思いたち、地区の自治会長の人に尋ねてみた。

 

 

「ここら辺で無料で住める場所はないですか?もしくはテント生活しても怒られなさそうなところはないですか?」

 


最初は何いってんだこいつ、みたいな反応ではあったが、何度かお願いをしているとついに代案が出た。

 


「廃墟になった保育園か、神社の社務所なら大丈夫かもしれないよ」

 


これはきた!と思った自分は神社を希望。神社に住むことになった。

 

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神社の社務所は8畳くらいあったので、そこでの1人暮らしは広々としていて快適だった。

ただ、いくつか大変な点はあった。まず風呂がなかったので、原チャで30分くらいしたところの小田原アリーナという市のスポーツ施設まで行って往復1時間かけてシャワーを浴びていた。

あとガスは通ってなくて洗濯機ももちろんなかったので、真冬の手洗い洗濯はなかなか大変だった。まあでも、洗濯機の偉大さに気づけたのでよかった。

また、カビと真夜中の怪奇現象がすごかった。閉まりきった木陰の神社で、あまり人の出入りが激しいところではなかったためなかなかカビがすごかった。カビのにおいってこんななのか〜、と初めて知った。こちらは換気をしたりファブリーズをすることで改善された。

深夜に突然屋根がガタガタしたり、叫び声が聞こえたりしたのはなかなか怖かった。翌日に家の前にウンコがボロボロ置いてあったのも怖かったが、それによってサルの仕業だったことがわかってよかった。毎朝のサルのウンコの撤去がてら、神社を掃除するのが日課になった。

 

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そんなこんなで自分はお金がなかったので神社に住むことになったのである。

楽しかったが、やはり風呂のある無しはだいぶ大事である。真冬の原チャ往復1時間は寒かったし流石に湯冷めした。そこで小田原の風呂付き物件に住みたいなあ、と考えて、古民家に住むことになるのだが古民家編はまたいつか書くことにする。